ウェアブルカメラの中でも、水平185°の超広角が撮れるモデルになります。 超広角の製品では、RICOH THETA(全天球)や Kodak PIXPRO SP360(水平360°)がありますが、これらの製品はパノラマ動画向きで少しジャンルが違います。 購入目的は、大気光学現象の微速度撮影で、水平185°という画角は日の出から日没までをちょうど収めることができそうです。 機種選定では THETA を外し、SP360 と MS-1 で比較検討した結果、インターバル撮影ができる MS-1 が決め手になりました。
動画撮影について
本来は動画撮影がメインの商品ですが、この目的では使用しないためレポートは無しです。
画角について
画角は、185°、165°、135°の3つの撮影モードがありますが、185°の最高解像度からトリミングしたのが他の画角になるようです。 静止画では恐らく185°の画角で撮ったものをトリミングして、他の画角と同等の画像を作れると思いますので、静止画撮影では185°で撮っておけば良さそうです。 なお、動画の場合は 1920×1080などにリサイズされるため、撮影時に画角選択しておいたほうが良いでしょう。
インターバル撮影
インターバル撮影の間隔は、2秒~1日で設定可能です。 連続撮影は2時間ほどで、30秒間隔以上では次の撮影まで電源がオフになるため、もっと伸びると思われます。 容量は64GBのSDカードまで対応しているので、まったく困ることは無さそうです。
その他、インターバル撮影機としてみた場合、本体だけで撮影できる(普通のカメラだとタイマー付きのリモートシャッターが必要)、シャッターが壊れる心配が無い、IPX4の防水仕様、シャッター音が消せる、露出の固定や補正が可能、などが気に入っています。
画質と露出補正
さすがに動画向きの画質なため、静止画で見るとあまり芳しくありません。 撮りっぱなしの画像を動画に変換する分には良いですが、ズームやパンを入れた編集や、画像調整するには不満が残る画質です。
ダイナミックレンジは比べれば狭いですが、WDR を使うと若干改善できます。 太陽を撮影して WDR を試してみると、太陽周辺の白飛び範囲が少し抑えられましたが、暗部の黒つぶれはあまり改善しない印象でした。
露出補正は-2~+2で調整できるようですが、それほど変化がありません。 夜明け前から撮影を開始するのに、+2に補正したりマニュアルで最大にして構図を決めて戻そうとしましたが、真っ暗で何も写りませんでした。 マニュアル設定で露出固定できますが、露出計が無く、撮影中は画像も確認できないため、夜明けや日没シーンなどはオートで撮るしかなさそうです。
総合評価:★★★★☆
ムービーカメラとしてではなく、微速度撮影カメラとしての評価になります。 小さな本体だけで手軽に微速度撮影できるので、空だけではなく植物の成長などアイディア次第で面白い作品が作れます。 カメラ固定ネジが付いているので、カメラ用の三脚をはじめ、吸盤雲台、マグネット雲台などを利用できるのも良いです。 ただ、ムービーカメラなだけあって静止画としては解像度に不満が残り、パンやズームなど凝った編集では気になるかも知れません。 一眼レフを使って撮影した素材と比べるとかなりの開きがありますが、なにより何千枚撮影したとしてもシャッターが壊れることが無いので安心して撮影できます。 次のモデルでは、静止画の解像度が上がることを期待して、他改善点を箇条書きです。
- 動画を4K画質にして、静止画の解像度も上げる(ムービーカメラである以上、静止画だけUPは難しいだろう)
- 1秒以下のインターバル撮影に対応(理論的には問題ないはず)
- 夜景撮影ができる程度に感度の向上
- インターバル撮影中に画像を確認したい
下記はたぶんムリだろうけど、あったらいい機能です。
- 撮影中に露出補正等をしたい(一眼レフだと露出固定で撮り、露出計を見ていて+2や-2に近づいたら補正を入れるやり方をします)
- インターバル撮影+明暗適のブラケット撮影(HDR合成したいのと、露出が大きく変わる場合の対応ができます)
- 内蔵時計に基づく露出のプログラム補正(日没時刻を境に露出補正が段階的に固定で入るようにしたい)
- 撮影中にSDカードの画像を吸い上げられたり、直接Wi-Fiで外部に保存できるなど、ノンストップで連続撮影ができるように
- USBカメラモードで、ノンストップ連続撮影ができるように