2016年10月10日 : してログ

HDR動画の作り方
第1回 Magic Lanternを使ったHDR動画素材の撮影


■Magic Lanternのセットアップ


- http://wiki.magiclantern.fm/install

上のインストールガイドに従って作業してください。ダウンロードするファームウェアですが、EOS Kissシリーズの海外名が違うので注意してください。例えば EOS Kiss X4 なら 550D/T2i になります。他の海外名は下記サイトで確認してください。

- http://cweb.canon.jp/e-support/faq/answer/eosd/9259-1.html

なお、いちどMLをインストールしたSDカードなら、ファイルを入れ替えるだけでアップデートできます。


■HDR動画の撮影手順

1. 動画撮影モードにする


2. MENU → 動画2 → 動画撮影モード → マニュアル露出
自動露出だとML設定でShutter(シャッタースピード)とAperture(絞り)が変更できないので注意です。


3. ML設定 → 動画 → HDR video → OFF
露出決定の邪魔になるのでいったんOFFにしてください。


4. ML設定 → Expo → ISO → 100
屋外であればISO値は100で良いと思います。暗すぎる場合は上げても仕方ないですが、(HDR合成するので)できるだけ低くしておきたいところです。ここで決めるのが露出アンダー側になります。


5. ML設定 → Expo → Shutter / Aperture
Shutter(シャッタースピード)とAperture(絞り)の組み合わせを決めます。画面表示が露出アンダー側のプレビューになるので、白飛びが少なくなるよう暗めにしてください。


露出アンダー側は、白飛びが少なくなるように設定する

6. ML設定 → Expo → ISO → 200〜800
露出オーバー側の露出をISO値のみで決めます(Shutter / Apertureはもう変更しません)。もしアンダーを100で合わせた場合は、だいたい400(2EV)を基準に200(1EV)〜800(3EV)の範囲が良いと思います。画面表示が露出オーバー側のプレビューになるので、黒潰れが少なくなるよう調整してください。

露出オーバー側は、黒潰れが少なくなるように設定する

6. ML設定 → 動画 → HDR video → ISO A / ISO B
露出アンダー側のISO値(4で決めた値)をISO Aに、露出オーバー側のISO値(6で決めた値)をISO Bに設定すればOKです。



7. プレビュー画面で確認
明暗が交互に切り替わって表示されるので、露出が適当かどうか最終確認してください。

8. 動画撮影
録画ボタンでHDR動画の録画開始になります。録画中にも明暗が交互に表示されますが、ゆっくり切り替わるとき、激しく切り替わるとき、画面半分ぐらいが点滅するとき、があります(画面のリフレッシュレートとの関係でしょうか)。ただ、何れもちゃんと録画されているようなので、気にしなくて良いようです。


■撮影時の注意点

1. 必ずマニュアル露出にする
自動露出の場合、撮影途中にほぼ間違いなく露出ジャンプ(絞りが切り替わる)が発生します。HDR動画の場合、ISO値を固定してしまうので、絞りなどでの露出調整が滑らかにできないためだと思います。従って、現状では露出が大きく変化するようなシーンは諦めるしかないと思います。

2. 露出を決める前にHDR動画の設定をOFFにする
HDR動画の設定が効いていると、明暗が交互に切り替わってしまい調整し辛くなります。

3. 解像度とフレームレートについて
この記事では、1920x1080(FullHD)/30fpsの動画を想定しています。エントリーモデルでも、1280x720(HD)で60fpsも可能ですが、HDR合成するには解像度が低すぎると思います。最新機種や高級機で、より高解像度で60fpsが可能な場合は、解像度優先で高くしてください。

4. シャッタースピードについて
通常、動画撮影ではシャッタースピードを意識することは無いと思いますが、マニュアルで設定するので、フレームレートとの関係を注意してください。当然ながら、フレームレートよりシャッタースピードを遅く設定することはできません。フレームレートが30fpsならシャッタースピードは1/30以下に、60fpsなら1/60以下に制限されます。このため、シャッタースピードで明るくするのは限界があり、絞りを開いて明るくするか、足りない場合はISO値を上げて調整します。

5. アンダーとオーバーの露出差について
ボディの性能によるところですが、3EVくらいまでに留めておいた方がよいと思います。

6. ピントは置きピンかマニュアルで調整する

EOS Kiss X4 ではオートでピント合わせしてくれません。置きピンで撮れる被写体を選ぶか、マニュアルで頑張るしかないです。

7. 撮影可能時間に注意する
SDカードのファイルフォーマットの関係で4GBしか録画できません。録画時間にすると12分くらい(1920x1080/30fpsの場合)なので、それを頭に入れながら開始のタイミングを決めてください。


■録画される動画について

録画される動画は、明暗のフレームが交互に記録されていますので、再生する場合はポケモンショック的な症状に注意が必要かと思います。


次回は動画のフレーム分解とHDR合成です
※この記事は「Yahoo!ブログ - HDRp」からの転載です